細胞の基本構造【講義】
1.原形質部分の説明
A.原形質:生きて生命活動を営む部分(生きるための化学反応が行なわれる)
「細胞の大部分を占め、大きく3つの部分に分けられる」核・細胞質・細胞膜
「細胞の大部分を占め、大きく3つの部分に分けられる」核・細胞質・細胞膜
イ)核→細胞中に1個、細胞の司令室(無核アメーバ、カサノリ)
- 核膜‥‥核液を含む(細胞膜と異なり二重膜、核膜孔が存在
- 核小体‥‥1~数個、染色体形成時に必要なタンパク質の合成
リボゾームRNA(r-RNA)の合成(赤ちゃん) - 染色糸‥‥ 遺伝子が存在する場所(DNAを含む)
(→染色体) 酢酸カーミン等の色素でよく染まる。
↓
ロ)細胞質 → 核の指令を受けて色々な働きをしている部分。
- 色素体(プラスチド) 色素を含む粒状体、3種類あり
葉緑体‥‥光合成の場で養分を合成(主にクロロフィルを含む)
↓↑
有色体‥‥クロロフィルを失った葉緑体、カロチン(橙)~キサントフィル(黄)
↓↑
白色体‥‥全ての色素を失った色素体、貯蔵デンプンの合成
※お互いに変換する。
例、イチョウ:夏は緑(葉緑体)→ 秋は黄(有色体)
例、ホウレンソウ:光があたらない → 茎の根元が赤(有色体)
例、ダイコン:光のあたる肩の部分が緑(白色体→葉緑体) - ミトコンドリア‥‥酸素呼吸の場(養分を少しずつ酸素を使って燃焼し、エネルギーを発生させるところ)
- ゴルジ体‥‥細胞内で合成された物質の分泌、及び貯蔵(ホルモン、消化液等を分泌する細胞には特に多く存在する)
- 中心体‥‥細胞分裂の時に働く(二つに分かれ両極に→星状体)
↓
※電子顕微鏡で初めてみられる構造(細胞質)→ 構造名を( )で囲む。 - 小胞体‥‥細胞質にはりめぐらされた物質の輸送路(→ゴルジ体)
- リボゾーム‥‥成長に必要なタンパク質の合成工場(r-RNA
- リソゾーム‥‥細胞内に生じた不要物質の分解(消化酵素を含む)細胞の自殺袋、自己消化 例、オタマジャクシの尾
ハ)細胞膜→細胞全体を包んで細胞を外界と区別。細胞内外への物質の出入りを調節する。(関所、半透性+選択透過性)
2.後形質部分の説明
B.後形質:原形質の働きによってつくりだされた生命活動のない部分
- 細胞壁‥‥植物細胞内を保護する。(全透性、単なる殻、セルロース)動物細胞には殻がなく、動き回りやすい。(植物は頑丈)
- 液胞‥‥植物細胞内に発達、中に細胞液を含む。(果物:有機酸→糖類、無機塩類、花びらの赤~青色 → アントシアンetc)
- 細胞内含有物‥‥デンプン粒(白色体より形成、バナナにはぎっしり)、脂肪粒(ゴマ)、油滴(ミカンの皮)、卵黄(魚の卵)etc
↓
3.動物細胞特有か植物細胞特有か?
※動物細胞特有の構造→なし(昔はゴルジ体と中心体)
※主に動物細胞で観察される。→△印をつける
- ゴルジ体‥‥初め動物細胞で観察されたが、その後電子顕微鏡により植物細胞でも広く観察された。(動物細胞は大きい)
- 中心体‥‥動物細胞にのみとされていたが、最近下等な植物細胞(細菌、ラン藻類)にも発見された。
※植物細胞に特有の構造→○印をつける
- 葉緑体(色素体)…緑色植物や藻類に広く存在する。
- 細胞壁…細菌類も細胞壁を持つので植物に分類。
- デンプン粒…植物特有の貯蔵物質(動物はグリコーゲン)
※主に植物細胞で観察される。→▲印をつける
- 液胞‥‥植物細胞にのみとされていたが、その後電子顕微鏡により小さいが動物細胞にも広く観察された。(植物細胞では大きく発達する)
以下省略