モジュール教育実験書 【抜粋】

生物に関する実験関係の資料まとめたもの(12項目/96ページ)

A)実験編

1.生物実験項目一覧(A-1)

在実施している実験の項目とその内容をまとめた。必ず実施しているもは◎印、時間的な余裕と材料がうまく揃えば実施可能なものには○印、少し実施が大変なものには△印つけてまとめた。
実験項目内容
顕微鏡の扱い方スギナの胞子(弾糸運動)
基本操作(ピント合わせ)
細胞と組織の観察ツユクサ(核、気孔)
カナダモ(葉緑体)
ジャガイモ(デンプン粒)
ゾウリムシ(細胞器官)
卵殻膜の吸水力測定ニワトリの卵殻膜を取り出し、中にショ糖液を入れる。
全18項目

2.実験用薬品器具購入先一覧(A-2)

あまり市販されていない特殊な器具や薬品は、購入先がわからず苦労した。そこで忘れないように一覧表にまとめた。「この器具や薬品はここの製品がよい」と推薦されたものも、同様に記録した。                    (まだ残存しているものに○印)
製品名価格(¥)製造元購入先
1シッフの試薬3,000メルク社北星科学0196-24-1551
2エンテランニュー1,550メルク社京都科学社(封入剤)
3メルコグラス9,500メルク社 京都科学社(液体カバーガラス)
4BTB液2,300昭和化学八百長0198-22-2345
5ブタの眼球235東北油化高源精麦0198-22-2811
全17項目

3.生物薬品の調合法(A-3)

染色用の色素を粉末で購入しても、染色液のつくり方を忘れて苦労した。こでよく使用する薬品は、その調合の仕方を記録しておいた。実習教諭にみせると、すぐに調合してくれるので便利だった。
薬品名調合法
1トルイジンブルー0.01%水溶液(植物の組織を色分ける)
2カルノア液エタノール、クロロホルム、酢酸を6:3:1の割合で調合する。
3ヨウ素ヨード液水100gにヨウ素1g、ヨードカリ5gを溶かす。
4酢酸カーミン45%酢酸100mlに粉末1gを加え、とろ火で半日以上煮沸する。
冷めてから濾過する。
5メチレンブルー1gを70%アルコール100mlに溶かす。
全13項目

4.生物実験の手順(A-4)

生徒に教室でみせる簡単なデモ実験も、数が多くなると方法を忘れて困っしまった。そこで本や他校の先生から紹介された実験を、忘れないよう分野別に収録した。授業の際に実習教諭にみせると準備してくれ、重宝した。
2.同化
1)「酵素パワーで水あめ作り」・・・・・酵素の働きデモ実験
  1. 市販の障子貼りのりをお湯に浸して少し暖める。
  2. ビーカーにのりを入れる。(どろどろであることを確認する)
  3. ヨードチンキ(うがい薬)を少し加える。
  4. 青紫色になった糊に、つぶして粉末にしたワカモト消化薬を加えて、ガラス棒でよくかき混ぜる。
  5. 色が薄くなりサラサラの液になる。なめると甘い。煮詰めると水アメができる。(糖尿試験紙の色が変わる)
3.異化
1)「ヨーグルトのつくり方」・・・・・乳酸発酵のデモ実験
  • 新鮮な牛乳を600g取り、砂糖を大さじ3杯ほど入れる。
  • 新鮮なプレーンヨーグルトを大さじ2杯ほど入れる。
  • 雑菌を排除するため、50℃の恒温器中に一晩置く。
全70項目

※この部分のみをまとめたのが別冊版「生物実験教材集

5.教材生物の目録一覧(A-5)

イモリのような古典的なものから、ブレファリズマのような最新型のもので、実に多くの教材生物を飼育した。それらを近縁種毎に一覧表にまとめた。さらに、その教材生物を授業の中でどう使用するか、どこで入手できるか等をつけ加えた。
(現在飼育中のものに◎印、飼育しなくてもすぐに採集できるものに○印、ちょっと入手困難なものに△印をつけた)
生物名用途入手先
1ゾウリムシ細胞器官、分裂、接合、走電性飼育中
2ソルダリア遺伝(組み替え)京都科学社
3アオミドロ葉緑体、接合子採集
4ボルボックス細胞群体、走光性飼育中
5紅色イオウ細菌光合成細菌ペットセンター
全120項目

6.教材生物の飼育・栽培法(A-6)

生物教師にとって教材生物の管理ほど頭を痛める問題はない。いろんな人がいろんな方法を試みているが、面倒だったりうまくいかなかったりする。そこで、経験上できるだけ簡単な方法を選びだし、まとめてみた。
同時にその飼栽培上、注意すべきコツみたいなものも書き入れた。
1)ブラインシュリンプ
入手法ペットショップより購入(熱帯魚餌として販売)
飼育法① 小さい水槽か平たいパットに、人工海水を浅めに入れる
② 市販の乾燥卵を少量入れる。(入れ過ぎないこと)
③ 20~25℃に保ち、明るい窓際に置くと2~3日で孵化
④ ときどき餌に乾燥酵母かクロレラの錠剤を与える。
※ ときどき水を補給。藻類が発生すると餌は与えなくても良い
利用法ミズクラゲやヒドラの餌、走光性の観察(背泳ぎ)
7)ミズクラゲ
入手法京都科学社、盛岡ニ高
飼育法①12㎝位のシャーレにろ過した海水を入れる。
②ポリプを移しかえる。
③発泡スチロール等の箱に入れておく。(藻の繁殖を防ぐ)
④ときどきエサのブラインシュリンプを与える。
※熱帯魚のエサのビタシュリンプをスポイト等で与えてもよい。
(ただし、その後で海水を取りかえること)
※市販の人工海水や天然食塩(沖縄産、南部屋敷で販売)も可。
利用法世代交代(ポリプ→ストロビラ→エフィラ)、無性生殖(出芽、分裂等)
全20項目

7.身近な生物の教材化(A-7)

意外な生物が意外な特性を持ち、すぐれた生物教材となる場合が多い。これを観察するならこの生物が良いという情報をすべてまとめてみた。
生物名特記事項
1キキョウ花粉に栄養核と生殖核がみえる(無染色でも精核が見える)
2サツマイモ葉1枚をハイポで水耕栽培→小さなイモができる。
(光の強さを変えると大きさが変わる)
3ニセアカシアペーバークロマトグラフィの実験に使用。色素が濃い。
(カバーガラスのふちを使い線上に)
4カボチャ花粉‥‥「原形質吐出の観察」によい
5マツバボタン虫が触ると花粉がしぼりだされる
全120項目

8.その他

  1. 生物教材の購入(京都化学社カタログより)
  2. 岩手県高教研理科部会「生物実験書への執筆」
    1. 電気パンづくり
    2. ブタの眼球観察
    3. 神経と筋肉の働き
    4. ウニの受精と発生観察
    5. 花粉管の観察
    6. 体細胞分裂の観察
  3. 日本科学協会「採集と飼育」への執筆
  4. 生物野外観察リスト
    • 動物「宮古浄土ヶ浜の動物目録」
    • 植物「早池峰山の植物目録」等

モジュール教育実験書(表紙/背表紙)