1.細胞
1)ニワトリの骨の観察
<軟骨の観察>
- スーパーマーケットでニワトリの手羽を買ってくる。
- 皮と筋肉を取り除いて骨だけにし、関節の所にある軟骨を安全カミソリで薄い切片にし、それを水中に入れる。
- もっともじょうずに切れた切片を選んでスライドガラスに取り、薄いメチレンブルー液を一滴落とす。
(メチレンブルー1gを蒸留水又は70%アルコール100mlに溶かす) - カバーガラスをかけて高倍率で検鏡する。
<硬骨の観察>
- スーパーマーケットでニワトリの手羽を買ってくる。
- 硬骨の部分をのこぎりで切断する。
- 切断した硬骨を3日間ほど食用酢の中に入れて石灰質を溶かす。
- 柔らかくなった硬骨の断面部を安全カミソリの刃で薄い切片にする。
- もっともじょうずに切れた切片を選んでスライドガラスに取り、薄いメチレンブルー液を一滴落とす。
- カバーガラスをかけて高倍率で検鏡する。
2)ニワトリの筋肉の観察
- スーパーマーケットでニワトリの手羽を買ってくる。
- 手羽から骨格筋の一片を取って時計皿の水の中に入れる。
- 先細のピンセットと柄付き針で、髪をくしですくように針を動かしながら筋繊維を十分にほぐす。
- ほぐした筋繊維をスライドガラスに取り、薄いメチレンブルー液を1滴落とす。
- 数分後にカバーガラスをかけて高倍率で検鏡する。
3)タケノコの維管束の観察
- スーパーマーケットで袋入りのタケノコを買ってくる。
- 安全カミソリの刃でうすい切片をつくる。
- 切片をエオシンの液の中に5分ほど入れて染色する。
(エオシン1gを蒸留水か70%アルコールに溶かす) - ほぐした筋繊維をスライドガラスに取り、薄いメチレンブルー液を1滴落とす。
- 切片をピンセットでスライドガラスに取り、水を一滴加えてカバーガラスをかける。
- 高倍率で検鏡する。
4)タンパク質の検出(ニンヒドリン反応)
- うすめたタンパク質溶液を5ml試験管にとる。
- 0.1%ニンヒドリン溶液0.5mlを加える。
- 静かに加熱し、1~2分間煮沸し、ついで冷やす。
- 陽性なら青色が現われてくる。
例:牛乳、鰹節(かつおぶし)、つめ、タマネギ、etc
5)タマネギの原形質流動
- タマネギの表皮をとる。
- 0.001%ニュートラルレッド(中性赤)で5分間染色する。
- 重曹につける。
- 400倍で検鏡する。
6)半透膜が低分子を通す実験
- ビスキングチューブに、
・コンゴーレッド(分子量 600)‥‥赤色
・ビクリン酸 (分子量 250)‥‥黄色
の混合液を入れる。 - ビーカー中の水に浸す。
- 低分子のピクリン酸が染み出て水が黄色に変わる。
7)根圧を示す実験
<その1>
- 茎の根元で根を切断し、土を付けたまま根を掘り起こす。
- ゴムチューブで切り口の茎とガラス管を接続する。
- モスリンの布で根を包み、ビーカー中の水に浸す。
- 根圧によりガラス管の中を水が上昇する。
<その2>
- ビスキングチューブにエオシンで染めたシロップ(市販)をいれる。
- ゴム栓に穴を開け、短いガラス管を差し込み、さらに長いビニール管と接続する。
- 天井にとめたビニール管の中を水が天井まで上昇する。
8)タンポポの茎をつかった膨圧変化
- 茎の外側はクチクラ層のため水を通さない。
- 内側の細胞は吸水してふくらみ、膨圧が高まる。
- クルクルッと曲って外側に開いてくる。
水 ・・・・・ 開きが大(低張液)
0.1モル ・・・・・ 開きが中
0.2モル ・・・・・ 開きが小
0.3モル ・・・・・ 開かない(等張液)
以下省略
【付録】教材生物飼育法
1)ゾウリムシ
<入手法>
- 岩手医大教養部(茂木先生)
- 盛岡二高
- 京都科学社
<飼育法>
- ドックフードを乳鉢ですりつぶす。
- ビーカーに水1ℓを取り、ドックフード1gとCaCO3少量を入れガスコンロで10~20分ほど煮る。
- ガーゼ数枚を重ねてろ過する。
- 50ccの三角フラスコに分注し(1/2程度)アルミ箔でふたをする。
- オートクレーブか圧力ナベで10分ほど殺菌する。
- 増殖中のゾウリムシ培養液を1~2cc入れ、アルミ箔でふたをして18~25℃の定温器中に置く。
- ドックフードはビタワンが良い。(比較的)
- 急いで増やしたい時は乾燥イーストを2~3粒入れると良い。
- 培養液は10日~2週間程で移しかえる。(急激に死滅する)
- 定温器の温度は30℃を超えないこと。(冷蔵庫等を使用)
<利用法>
- 単細胞動物としての観察(細胞器官)
- 生殖(分裂、接合)、走性の観察(走地性、走化生、走電性)
<その他>
- シャーレに純水を取り、米粒を1~2個を入れる簡易法もある。
- ドックフードの代わりに乾燥レタスを使っても良い。
- 長期保存には土を鍋で煮沸し沈澱後にワラを盛り上げて入れる。
2)アメーバ
<入手法>
- 盛岡二高
- 京都科学社
<飼育法>
- 熱湯を注いだシャーレ(9㎝)に純水を半分ほど取り、米粒を2~3個入れる。
- アメーバをスポイトで移しかえる。
- ふたをして18~25℃の定温器中に置く。
- <培養液は10日~2週間程で移しかえる。(急激に死滅する)
- 定温器の温度は30℃を超えないこと。(冷蔵庫等を使用)
- PHが酸性にならないよう、6~7を維持すること。
- <古い培養液をそのまま使う場合は水を
<利用法>
- アメーバ運動、捕食行動、原形質流動、収縮胞等の観察
以下省略